エコツーリズムとは?生き物を守ること

エコツーリズムとは一体何を指すのでしょうか?そして、それがどのように自然を守り、地域の暮らしを支えているのでしょうか?

爬虫類・両生類を探しにいくハーピングもエコツーリズムの一つです

エコツーリズムとは?

エコツーリズムとは、自然環境や文化を守りながら、その地域を訪れることで、持続可能な形で観光を楽しむ活動を指します。具体的には、以下のような特徴を持っています。

  • 自然保護:訪問地の環境や生態系を保護する。
  • 地域貢献:地元の人々に収入源を提供し、地域経済を活性化させる。
  • 教育の提供:旅行者に環境や文化について学ぶ機会を与える。

このような取り組みは、観光が自然破壊や文化の消失を引き起こすリスクを減らし、地域社会と訪問者の双方にメリットをもたらします。

バードウオッチングもエコツーリズムです

エコツーリズムがもたらす効果

エコツーリズムには、地域社会や自然環境に多くのポジティブな影響があります。

1. 経済的なメリット

エコツーリズムを通じて観光客を呼び込むことで、地域住民に新たな収入源を提供できます。特に、普段は自給自足に近い生活をしており、農業や漁業以外の収入が少ない地域では、観光収入が重要な役割を果たします。

2. 環境保護の推進

自然を保護することが観光業の持続性に直結するため、地元住民の環境保護意識が高まります。また、観光客も自然の美しさを目の当たりにすることで、その重要性を再認識します。

3. 地域文化の継承

観光を通じて、地域独自の文化や伝統を守り、次世代に伝える活動が活性化します。観光客が地域文化に触れることで、住民自身もその価値を再確認する機会となります。

実際のお話

エクアドルで現地の方から聞いた話です。
農家の方が所有する土地で森を切り開いて牛を一頭飼うことを考えていたそうです。

しかし、森にはとても珍しい鳥がいることが分かったため餌台を設置し鳥を呼んでみたところ観光客の方がその鳥の写真を撮りに入場料を支払い訪れてくれるようになりました。その収入は、牛を飼育して売りに出すよりも多くの収入をもたらすことになりました。
また、その鳥は早朝に現れることが多いため近くの街にある宿泊施設を観光客の方が利用するようになり、レストランも繁盛し、タクシーなどの交通機関の方も収入を上げることができました。すると、今まで興味を持ったこともなかった周辺の人々もその鳥のことについて興味を持ち、新たな知見が広がったため、研究者が実際に訪れ地元の方々と協力し、今までわからなかった様々なデータをとることに成功しました。そのデータを元に、どのような生活環境を必要としているのかが明らかになり、適切な保護活動ができるようになったと言うものです。

エクアドルで観察できるアンデスイワドリ(Andean cock-of-the-rock)


好きな生き物に出会いにいくことは、保護にもつながります

エコツーリズムは、自然を守るだけでなく、地域社会に新たな希望をもたらす鍵となる活動です。自然の中で生き物たちの素晴らしさを体感し、地域の方々は自然を守ることで生計を立てられるようになるのです。ぜひ皆様もエコツーリズムに出かけてみてください!

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