今回は、インドネシア・フローレス島の西に浮かぶコモド国立公園にて生き物探しをしてきました。通常のツアーでは、フローレス島の玄関口ラブアンバジョーから日帰りで向かうツアーが多いのですが、ラブアンバジョーから国立公園の島々は、船で半日かかるため、早朝に出発しお昼前に国立公園に入り、一時間ほど滞在したのに夕方に帰ってくるという滞在時間の短さと、お昼のぐったりした コモドオオトカゲ(英名 Komodo dragon、学名 Varanus komodoensis) にがっかりしました。そこで、約10年前に訪れた際の屈辱を晴らすべく今回は特別な許可を取得し2泊3日がっつり国立公園内に宿泊しディープな観察を行ってまいりました。
まず、前提としてコモド国立公園周辺は海流の流れが非常に強く、さらに時間帯によって流れが真逆になる事で知られています。ですので、船が安全に通過できる場所と時間が限られますので、潮の干満の時間に合わせたしっかりした計画が必須です。
今回、我々がまず向かったのは珊瑚礁の有名なポイントです。海に飛び込んでみると、一面に広がる珊瑚礁と水族館よりも濃い魚たちです。

他にも ナンヨウマンタ(英名 Reef manta ray、学名 Mobula alfredi )が、クリーニングといい集まってくるポイントでもシュノーケリングを行い本日の目的地、パダール島へ向かいました。
着後、まずは有名な絶景ポイントへハイキングです。途中、早速様々な生き物に遭遇します。
ヤブヒバリ(英名 Singing bushlark、学名 Mirafra javanica)。よく見ればカマキリと共に見つけました。


ネズミの仲間
この島には、コモドネズミ(英名 Komodo rat、学名 Rattus komodensis)、ポリネシアンラット(英名 Polynesian rat、学名 Rattus exulans) など魅力的なネズミの仲間も多いのですが、出てきても一瞬で写真では分かりにくいのですがかなり暗いので判別は難しいです。


ティモールジカ(英名 Javan rusa、学名 Rusa timorensis) も日暮と共に出てきました。この後、夜の観察でも活動していたので夜行性ですかね。

パダール島に来る方のほとんどはこの絶景を見に来るかと思いますが、実は絶景だけでなく私にとってもパダール島といえば、そう ブルーピットバイパー(英名 Blue morph of White-lipped island pit viper、学名 Trimeresurus insularis) です。

同種のクサリヘビは、コモド島、リンチャ島だけでなく、ジャワ島などの周辺に広く分布するヘビの仲間なのですが、ここパダール島でのみなぜか非常に高い確率で青い個体が見つかります。これは、沖縄県で見れる青い イシカワガエル(英名 Ishikawa’s frog、学名 Odorrana ishikawae) と同じ現象で本来は緑色の体ですが黄色の色素が欠乏することにより鮮やかな青色になるというものです。緑の生き物であれば、理論上はどこでもあり得ますし、実際に生まれていると思います。しかし、その割合や生存率は地域や生息地によって全く違います。おそらくパダール島は、半砂漠のような厳しい環境であるため天敵が少なく青い個体も高い確率で生存&繁殖でき、今では6匹に1匹ほどの割合という色素変異の中ではあり得ないほどの高い確率で出会うことができるとのことでした。お隣リンチャ島では、ほぼ見ないとのことですので本当に不思議ですね。

今回は、初日・コモド国立公園にてナイトツアーを始めてわずか20分ほどで発見でき非常に幸運でした。

また、そこからすぐ10mほど進んだ場所で緑色の個体、グリーンピットバイパー(英名 White-lipped island pit viper、学名 Trimeresurus insularis) にも出会いました。この子は、なぜか手足のなくなった蟻の胴体に噛みつかれたまま生活しており、一体どんな人生ならず蛇生を送ってきたのか考えさせられます。次の脱皮で取れるでしょうが痛そうですね、、、


その後、合計5匹のグリーンピットバイパーも無事に見かけましたが、最初がブルーだったためにいい意味で拍子抜けのハーピングとなりました。

他にも、全長30cmはあろうかという巨大な トッケイヤモリ(英名 Tokay gecko、学名 Gekko gecko) やスキンク(英名:Flores Banded Skink、学名:Sphenomorphus striolatus)の仲間、ブロンズバック(英名:Lesser Sunda Bronzeback
、学名:Dendrelaphis inornatus)なども観察。砂浜では、コモドオオトカゲの新鮮な足跡まで観察し非常に充実した初日となりました。



Dendrelaphis inornatus



2日目に続く。。。。