今回は、インドネシア・バリ島とフローレス島でアミメニシキヘビ(英名:Reticulated python,学名: Malayopython reticulatus)を観察してきました。
本種をはじめとするシニキヘビ科の仲間には非常に大型になる種がおり、大型の個体は大きな獲物を月に一度、時には数ヶ月に一度しか捕食しません。そのため、自然界で活動している日数自体が少なく、出会うのは非常に難しいとされています。
今回は、現地の方と一緒に聞き取り調査を行い、2箇所で高確率で出会うことができました。その方法を共有いたします。

フローレス島
今回観察できたのは、どちらも洞窟でした。特にこちらの洞窟は過酷な環境で、なんと川の中にあり、中は腰まで水がある状態。湿度が非常に高く、入り口から5m以上進むとカメラが曇ってしまい使えません。フンの匂いも強烈で、どこに行っても大丈夫な私自身も正直かなり辛かったです。

ここでは、約10mほどの範囲で6匹ものアミメニシキヘビを観察できました。洞窟内のコウモリを主食としているようで、ここに生息していたコウモリは全長約10cmほど。そのため、アミメニシキヘビも体が小さめで、コウモリを捕食するのにちょうどよいサイズの個体ばかりでした。
大きくなった個体が洞窟を出て生活するのかは不明ですが、幼体にとっては理想的な餌場であることは間違いありません。また、洞窟内には飲水も流れているため、遭遇率はかなり高いと予想されます。現地の方も「普段あまり来ないけれど、来たときは必ずヘビがいる」と話しており、非常に貴重なポイントだと思います。

バリ島
こちらの洞窟は、かなり大きく、入り口も広いため日が差し込み、奥行きもほぼ無い為、中まで見渡せます。天井には前回の洞窟とは比べものにならない数のコウモリが止まっており、コウモリの種類も全長20cmほどとかなり大きく、洞窟入り口は大きく開いているにもかかわらず、フンの悪臭が強烈です。

天井近くの段差には3mほどでしょうか。大きめの個体が休憩していました。バリ島のアミメニシキヘビは、他の地域に比べ顔周りが黄色っぽく、体もそれほど大きくならないことで知られています。アミメニシキヘビは地域や島によって模様や大きさが大きく異なり、個人的にはバリ島の個体は最も美しいアミメニシキヘビのひとつだと感じました。

以上が今回のアミメニシキヘビ観察レポートです。世界最大の個体に出会うのは非常に難しいですが、まんまるな目や美しい模様は圧巻です。タイ、ベトナムなど人気の観光地である東南アジアには広く生息していますので、生息地を訪れる機会があれば、ぜひ探してみてください。
