
現在、日本には7種類のトカゲモドキたちが生息しています。今回は、私が日本に生息する生き物で最も好きなこの生き物たちをご紹介させていただきます。
①クロイワトカゲモドキ(英名:Kuroiwa’s Ground Gecko、学名:Goniurosaurus kuroiwae)
沖縄本島南部に生息します。特徴としては、背中に入った一本線。また、肌の色もなんだか薄く全体的に白っぽいイメージ目立つのも特徴です。沖縄本島南部は、地質的にも石灰質の地形が多く特徴的な背景で写真を撮影できるので、写真撮影はとても楽しいのも特徴です。


②ヤンバルトカゲモドキ(英名:Yambaru Ground Gecko、学名:Goniurosaurus nebulozonatus)
沖縄本島北部のやんばるの森に生息します。特徴としては、背中の線が一本繋がることは無く、時には星が散りばめられたような模様になっていることです。また、色合いもなんだか濃く全体的にシックなイメージのトカゲモドキです。


③クメトカゲモドキ(英名:Kumejima Ground Gecko、学名:Goniurosaurus yamashinae)
久米島に生息します。体全体の黄色っぽい色が特徴的で、黒と白、黄色のコントラストが非常に美しいです。また、目の色も日本産トカゲモドキの中では唯一の黄色で目を見ただけで見分けられます。

美しい黄色い目です。

④マダラトカゲモドキ(英名:Spotted Ground Gecko、学名:Goniurosaurus orientalis)
渡名喜島に生息します。体のバンド模様が非常にはっきりとしており、夜のジャングルでも非常に目立ちます。世界で唯一の生息地である渡名喜島は、非常に小さな島ですので、生息地もかなり限られますが、今回は集落周辺で引かれたであろう死骸も発見しました。


⑤ケラマトカゲモドキ(英名:Kerama Ground Gecko、学名:Goniurosaurus sengokui)
渡嘉敷島、阿嘉島に生息します。日本産トカゲモドキのなかで最もオレンジ色に輝き、その輝きから海外のGoniurosaurusファンの中では世界で最も美しいとの評判もあるそうです。遺伝的には、近年まで同種とされていたマダラトカゲモドキに近いそう。

⑥イヘヤトカゲモドキ(英名:Iheya Ground Gecko、学名:Goniurosaurus toyamai)
伊平屋島に生息します。イヘヤトカゲモドキは、ピンクがかった肌の色が特徴的で、大きさもかなり大きなイメージです。観察は難しく、私が訪れた際は一晩で2個体の観察となりました。


⑦オビトカゲモドキ(英名:Banded Ground Gecko、学名:Goniurosaurus splendens)
徳之島に生息します。日本に生息するトカゲモドキで唯一、鹿児島県の出身です。日本産トカゲモドキ最小種で探す際は、枯れ葉を踏む足音で探すことができました。名前の通り、帯状の模様が特徴的で遺伝的には、最も近くに生息するイヘヤトカゲモドキに近いそうです。


日本原産のトカゲモドキは、国内希少野生動植物保護法により捕獲や飼育はもちろん、接触なども禁止されている非常に希少な生き物です。爬虫類・両生類に共通していることですが、体が小さく飛翔などの大きな移動手段を持たない彼らは、1ヶ所の生息地で一生を終えることが多く、大規模な環境破壊が進むと瞬く間に絶滅してしまう生き物です。これからもこの美しい生き物たちが観察できる森を守っていけるように、そしてたくさんの方に興味を持っていただけるように情報発信に努めていければと思います。