ハーピングを次世代に伝えるために私たちができること

イランハーピングで出会ったカイザリングスキンクヤモリ(teratoscincus kaizaringi

ハーピングに出かける際には、自然と動物たちに最大限の敬意を払うことが重要です。インターネットで生き物を探すための情報が簡単に手に入るようになった現在、フィールドでのマナーが伝わりにくくなり、悪気なくマナーを破り自然を傷つけてしまっている方が増えているという声もあります。将来の世代も安心してハーピングを楽しむために、私自身の勉強も兼ねてハーピングの際にみんなで意識していければ良いかなと思うことを記載させていただきます。

1. 動物と環境

1.1 動物を傷つけない
すべての動物は生態系で重要な役割を担っています。捕まえようとして不注意に傷つけないようにし、石や木の下にいる小動物にも気を配りましょう。触れ方がわからない場合は専門家に相談し、知らずうちに生き物を痛めつけないようにしましょう。

1.2 接触はなるべく避ける
動物に触れることはストレスを与えることがあります。観察や撮影のために触れる際は触り方を工夫するとともに、できるだけ短時間で。特に皮膚の薄い両生類には注意が必要です。

1.3 生息地を壊さない
自然環境を元の状態に戻すよう努めましょう。石の下などにも目に見えない微小な生態系が保たれています。少しずれるだけでも湿度などの環境が変わり、大きな影響を与える可能性があります。なるべく触らないのが原則ですが、石をひっくり返した場合などは元通りに戻しましょう。

1.4 病原菌などを持ち込まない
長靴の裏、スネークフックなどには、以前のハーピングの際についた泥などから病原菌などが付着している可能性があります。ハーピングのあとは、必ず機材を綺麗にし不要なものを持ち込まないようにしましょう。

2. 地元ルール

2.1 ルール・法律を確認する
ハーピングに関する国および地域の法律を理解し、遵守することが重要です。場所によっては触るだけで罰せられる生き物も存在します。法律を破った場合、知らなかったでは済まされません。事前に十分な下調べを行いましょう。

2.2 許可証の取得
写真撮影や観察には許可証が必要な場合があります。特に、お昼の時間帯は問題なくとも夜間の立ち入りに関する規制には注意が必要です。

3. ペットとしての動物の取り扱い

3.1 責任ある飼育
野生個体をペットとして飼う場合は、長期的な世話と適切な環境の提供が必要です。不適切な飼育は動物の健康を損なう原因となります。また、過剰な捕獲は野生での生息数にも影響を与えます。十分に加味した上で飼育しましょう。

3.2 逃がさない
一度、飼育していた動物を野生に戻すことは避けましょう。病気の拡散や生態系のバランスを崩すリスクがあります。

4. 元いた場所に戻す

4.1 元の場所に戻す
観察や研究のために一時的に捕獲した動物は、観察や撮影後に速やかに元の場所に返すことが最善です。何気ない葉っぱの上にいるように見えても、動物はその場所にいる理由が必ずあります。必ず元の場所に戻しましょう。

5. 観察場所に関する情報

5.1 場所の共有に注意
動物の生息地に関する情報を共有する際には、位置情報を含まないようにしましょう。写真の共有時にはGPS情報を削除することが推奨されます。

6. その他の迷惑行為

6.1 私有地への立ち入り
私有地に立ち入る際は必ず許可を得ましょう。許可がない場合、法的な問題が発生する可能性があります。全てのハーパーの尊厳を傷つけることにもなるので、必ず守りましょう。

6.2 公共地の利用
公共地でも特定の規制がある場合があります。夜間の立ち入りや立ち入るべき場所については、事前に問い合わせたり、観光地の場合は看板や地図などでも確認しましょう。

7. 情報の取り扱い

7.1 情報共有の慎重さ
良いハーピングスポットについて他人に教える際は、その情報が広まりすぎないよう注意が必要です。不特定多数に広まると、その場所が過度に利用され、生き物たちの生態に影響が出る可能性があります。

以上、私が思いつくもの&海外のサイトも参考にさせていただきました。他にも加えたら良い項目やご意見などございましたら是非ともご教授いただき、より良いハーピングを広めていければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考サイト
https://californiaherps.com/info/fieldherpingethics.html
https://www.earthwiseaware.org/etiquette/species-habitats-focused-etiquettes/the-herping-rules/
https://www.tropicalherping.com/rules.html

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