今回は、マダガスカル北部のアンバーマウンテン(Ambre Mountain, Montagne d’Ambre)で観察した生き物たちを紹介いたします。
アンバーマウンテンは、国立公園の入り口で標高が1000mほどと少し高い場所にあるため乾季が他の場所ほど乾燥せず、朝晩は気温が低くなるのが特徴です。私の大好きなヘラオヤモリが6種生息し、Brookesia tuberculataという非常に小さなブロケシアカメレオンが非常に高い確率で観察できるためとてもおすすめの国立公園です。
それでは早速紹介いたします。
ヘラオヤモリ
1、フィビアバナヘラオヤモリ(英名:Amber mountain leaf-tailed gecko、学名:Uroplatus fiviavana)
同国立公園固有種。ヘラオヤモリ界最小の種で、生息する個体の8割以上が尻尾がないという非常に奇妙な種です。実際、滞在中は2匹観察しましたが2匹とも尻尾がありませんでした。国立公園の中よりも標高を下げたエリアに多いようです。


2、ガラマソヘラオヤモリ(英名:Garamaso leaf-tailed gecko、学名:Uroplatus garamaso)
ヤマビタイヘラオヤモリににますが、ガラマソは目が黄色いという意味だそうで、名前の通り黄色い目が特徴で見分けられます。5日間探して観察できたのは1匹だけですので数は少ないかと思われます。


3、アリューヘラオヤモリ(英名:Northen leaf-tailed gecko、学名:Uroplatus alluaudi)
同国立公園で、2番目に数が多くヤマビタイより木の高いところで観察する機会が多かったです。頭から尻尾にかけたストライプがシックでかっこいい種です。


4、ヤマビタイヘラオヤモリ(英名:Mossy leaf-tailed gecko、学名:Uroplatus sikorae)
マダガスカルで最も観察しやすい種です。熱帯雨林では、緑っぽい個体もいるため各地で観察すると面白い。


5、テイオウヘラオヤモリ(英名:Giant leaf-tailed gecko、学名:Uroplatus giganteus)
帝王の名に相応しい重量感は圧巻です。こちらも、標高を下げたエリアに多いようで国立公園から少し車で移動したポイントで観察しました。竹藪にも生息し、フリンジヘラオヤモリよりは木の高い位置にいます。


6、エベノーヘラオヤモリ(英名:Ebenau’s leaf-tailed gecko、学名:Uroplatus ebenaui)
アンバーマウンテンでは、観察が非常に難しいそう。フィビアバナヘラオヤモリより一回り大きく、涙袋がないため見分けは割と簡単です。写真は、別の場所で撮影した個体です。


カメレオン
1、アンバーマウンテンカメレオン(英名:Mount Amber Globe-horned Chameleon、学名:Calumma ambreense)
同国立公園固有種。オスはツノが生えるため容易に見分けられる。


2、アンバーマウンテンゾウカメレオン(英名:Mount Amber elephant Chameleon、学名:Calumma amber)
ゾウの耳のように見えるためこの名で呼ばれます。オスの色合いが個人的にはとても好みです。近づくと怒って威嚇してきます。それもまた可愛い、、、


3、ブルーノーズカメレオン(英名:Blue-nosed chameleon、学名:Calumma linotum)
個人的に、一番好きなカメレオン。数は少なくないが、人間が通ると枝や茎の裏に隠れるのでゆっくり歩いて探さないといけない。また、見つけてもすぐに鼻の色を白っぽく変えてしまう。1時間ほどカモフラージュポンチョをかぶって青い鼻の状態を撮影できた。


4、Brookesia tuberculata
非常に小さなカメレオンの仲間であるブロケシアの中でもかなり小さい。大きな木のあるエリアで落ち葉を捲ると大体いるが、見つけるのはかなり大変。オスとメスで見た目がかなり違のも面白い。


5、Brookesia antakarana
ブロケシア(ヒメカメレオン)の中では大きめ。お昼の時間帯に、樹上1mほどの場所に登っている姿も観察したので結構木にも登るのかもしれない。


6、Peter’s chameleon(Furcifer petteri)
オスのツノが可愛いが、地域によってこのオスの角の長さが変わるので観察しがいがある。アンバーマウンテンの個体群は長くてかっこいい。


マダガスカルツリーボア(英名:Madagascar tree boa、学名:Sanzinia madagascariensis)
夜の観察でも、昼の観察でも大きな個体が日光浴をする姿を観察しました。


哺乳類
1、カンムリキツネザル(英名:Crowned lemur、学名:Eulemur coronatus)
冠をかぶったような模様が特徴的で、小さなキツネザル。人もあまり気にせず木の低いところにも降りてくる。

2、サンフォードチャイロキツネザル(英名:Sanford’s brown lemur、学名:Eulemur fulvus)
カンムリキツネザルより一回り大きく、大きな群れで暮らしていた。人間を見つけると、尻尾を横にフリフリしながらこちらを見つめてくる。

3、Montagne d’Ambre dwarf lemur (Cheirogaleus andysabini)
夜の森でヘッドライトに反射する目を見つけたら8割くらいはこの種。たくさん観察でき、最寄りの村の人家の裏などにもいます。

4、Montagne d’Ambre dwarf lemur(Cheirogaleus andysabini)
残りの2割はこの種で、大きさが全く違うので見分けは簡単です。ライトで照らすと大きな目でこちらをギロっと見つめてきます。

5、ワオマングース(英名:Ring Tailed mongoose、学名:Galidia elegans)
ブロケシアが大好物というマングースは、ブロケシアが多いエリアで観察できました。

鳥類
1、ルガシラハシリブッポウソウ(英名:Pitta-like Ground-roller、学名:Atelornis pittoides)
美しい色合いで、森の中から特徴的な声で鳴く姿は非常に美しいです。

2、Amber mountain rock thrush(Monticola erythronotus)
同国立公園固有種です。数は多いようで、オスメス同じ場所で観察できました。


3、オオブッポウソウ(英名:Cuckoo Roller、学名:Leptosomus discolor)
午前中、太陽が出てくると大きな声で鳴きながら空を旋回します。昼過ぎは、木の陰で休んでいることがあるので撮影チャンスです。


4、マダガスカルルリバト(英名:Madagascar blue pigeon、学名:Alectroenas madagascariensis)
青いハト。よく見ると、目の周りと尻尾は赤くておしゃれ。

5、マダガスカルタイヨウチョウ(英名:Malagasy green sunbird、学名:Cinnyris notatus)
巣作りに忙しなく動き回っていました。オスは不在だったので、巣作りはメスの仕事なのかもしれません。

6、ムナフショウドウツバメ(英名:Mascarene Martin 学名:Phedina borbonica )
滝の裏で営巣していました。ここは人間をはじめとする哺乳類も来れないので安心ですね。

7、マダガスカルメジロ(英名:Madagascar white eye、学名:Zosterops maderaspatanus)
並んで寝ているところを撮影。可愛い。

8、マダガスカルトキ(英名:Madagascar Crested Ibis、学名:Lophotibis cristata)


(英名:Common jery、学名:Neomixis tenella)

(英名:Madagascar Pygmy-Kingfisher、学名: Corythornis madagascariensis)

(英名:Madagascar wever、学名:Ploceus nelicourvi)

(英名: Malachite Kingfisher、学名:Corythornis vintsioides)
以上、となります。
紹介していない生き物もあります。こんな生き物観察できる?などご不明点ありましたらお気軽にお問い合わせください!
この度の様子を動画でも公開しています。よければご覧ください!


