今回は、世界の珍しい霊長類25種にも選ばれるアイアイ(英名: aye-aye、学名: Daubentonia madagascariensis)の観察方法をご紹介します。

唯一の生息地マダガスカルでは、観光客向けに餌付けをして簡単に観察できる場所があります。しかし、餌のココナッツを食べる姿は観察には最適ですが、写真を撮るにはものたりません。
そこで今回は、野生のアイアイを自然下で観察する方法をお伝えいたします。
まず、アイアイは夜行性のキツネザルの仲間ですので、観察は夜になります。そして最大の特徴は、寝る際に木の枝や葉っぱを集めて樹上にベッドを作ることです。
生息地の一部である強い乾季のある熱帯雨林では、雨季直前になると森全体の葉が落ち、見通しがよくなります。この時期を狙い、お昼に森の中を歩いてベッドを探し、夕暮れ時に寝起きを待つという方法です。毎日ベッドの位置は変わるので必ず見つかるわけではありませんが、見つけてしまえば高い確率で観察できます。



今回は、2回寝起きの観察に成功しました。
1度目は、夕方にようやくベッドを見つけ、クタクタになりながらもドキドキしながら夕暮れを待ちました。日が暮れる直前、体の一部や長い尻尾が見え始め、ワクワクが止まりませんでした。そして日没後、そっと姿を現した瞬間は感動の一言です。その後、50mほど移動して捕食行動を始め、ゆっくりと観察することができました。

2度目は、夕暮れとほぼ同時に出てきてくれました。起きた後、なんと望遠レンズでは近すぎるほどの距離まで地面に降りてきて、私たちの目の前を通り過ぎ、そのまま森の中へ消えていきました。

長い指やリスのような前歯で木から虫をほじくり出して食べる姿。大きな耳で木の中の音を聞く姿。長いしっぽでバランスをとりながら樹上を移動する姿。どれも、アイアイにしか見られない独特な行動で、観察していて非常に興味深い生き物です。
興味のある方は、2026年度にこのアイアイトレッキングを取り入れたフィールドワークも開催予定です。
ぜひ奮ってご参加ください!2026年1月ごろ発表予定です!

