今回は、前回のコバルトツリーモニターに続き、お隣サラワティ島にてグリーンツリーモニター(英名:Green Tree Monitor、学名:Varanus prasinus)を探してきました。

サラワティ島
インドネシア西パプア州のラジャアンパット諸島に属するサラワティ島は、面積約1,623 km²で、諸島内では3番目に大きな島です。島の北部には低地熱帯雨林が広がり、サラワティ・ウタラ自然保護区として保護されています。地形は緩やかな丘陵や森林が中心で、川沿いには豊かな湿地も見られます。
人口は少なく、村落は点在しており、住民は伝統的な生活を中心に営んでいます。漁業や狩猟、農業など自然資源に依存したシンプルな暮らしが特徴です。島の南部にはかつてサラワティ王国が存在し、サマテ村がその中心地でした。15世紀にはバカン王国との交流を通じてイスラム教が伝わり、16〜17世紀にかけて繁栄し、西パプアでは珍しくイスラム教の割合も高い島です。


環境条件
滞在は3泊4日。夜の気温は26度前後、昼の活動時には36度程度に達しました。湿度は森の中で常に99%と高く、バタンタ島とほぼ同じ環境です。
生息環境
今回の観察も、地元の元ハンターに協力を依頼しました。青色のコバルトツリーモニター(Blue Tree Monitor、Varanus macraei)でさえ探すのが困難ですが、緑色に擬態するグリーンツリーモニターを探すのはさらに気が遠くなる作業です。
バタンタ島との大きな違いは標高です。バタンタ島では崖が続き、モニターたちは川や海沿いに生息していますが、サラワティ島では島の中央に位置する森の中に生息しています。また、森の中も比較的平らで、生息環境がかなり異なることが分かりました。

観察結果
今回は3日間の観察で、運よく1匹のグリーンツリーモニター(Green Tree Monitor、Varanus prasinus)を確認できました。同島に生息するヒヨクドリ(英名:King Bird of paradise、学名:Cicinnurus regius)の鳴き声に気づき、上を見上げたところ、樹上を歩く個体を発見しました。

グリーンツリーモニターはコバルトツリーモニターに比べ、動きが素早く、攻撃性も高い印象でした。お互いに見える距離にある島で、ツリーモニター同士の色や性格がこれほど異なるのは非常に不思議です。


さらに、今回の滞在ではグリーンパイソン(英名:Green tree Python、学名:Morelia viridis)の観察にも成功しました。

次回は、他にも観察した生き物たちをまとめてご紹介します。お楽しみに!