西パプア バードウオッチングレポートの第3回をお届けします。今回は、西パプアの玄関口・ソロンでの観察記録です。ラジャアンパットへ向かう出発点として知られるソロンですが、周辺にはマングローブ林や原生林が残り、限られた時間でも多彩な鳥たちと出会うことができます。今回は乗り継ぎの合間を利用し、短時間ながら魅力的な観察を楽しみました。
最初に姿を見せてくれたのは、マユグロナキサンショウクイ(英名:Black-browed Triller、学名:Lalage atrovirens)。非常に鳴き声が高く、他の種と群れで行動することがあるのが特徴だそう。

続いて現れたのは、トサカハゲミツスイ(英名:Helmeted Friarbird、学名:Philemon buceroides)。英名は、Helmeted(ヘルメットを被ったの意)ですが日本語ではトサカ。friar(修道士)+ bird(鳥)はハゲミツスイ。興味深いです。

大雨で一時観察を中断しましたが、雨上がりの森は再び鳥の声でにぎわい始めました。ハシブトオニサンショウクイ(英名:Stout-billed Cuckooshrike、学名:Coracina caeruleogrisea)太くてしっかりした嘴と、目の間から嘴にかけての黒いマークが特徴です。

遠くの枝先にはカンムリカッコウハヤブサ(英名:Pacific Baza、学名:Aviceda subcristata)。の冠羽が伸びた特徴的な黒い冠、カッコウのような胸の横縞が目立つそうですが、この距離ではなんとか冠が見える距離でした。

さらに、雨に濡れた羽を乾かすメジロハシブトハナドリ(英名:Brown-backed Flowerpecker、学名:Pachyglossa everetti)や

キビタイヒメアオバト(英名:orange fronted fruit dove、学名:Ptilinopus aurantiifrons)。小さく美しい鳩で、この後もう1羽並んで微笑ましい姿を見せてくれました。

その他にも、ヤマアナツバメ(英名:Mountain Swiftlet、学名:Aerodramus hirundinaceus)、テリオウチュウ(英名:Spangled Drongo、学名:Dicrurus bracteatus)、コサギ(英名:Little Egret、学名:Egretta garzetta)、そして鮮やかなパプアカワセミ(英名:Papuan Dwarf Kingfisher、学名:Ceyx solitarius)など、多様な種との出会いがありました。
短い滞在ながら、港町ソロン周辺の自然は驚くほど豊かで、まさに西パプアの奥深さを感じさせてくれます。来年度も西パプアでのバードウオッチングツアーを企画しておりますので、ぜひご参加いただき、この大自然と鳥たちの魅力をご自身の目で確かめていただければと思います。