インドネシアは西パプアにてバードウオッチングを行ってまいりました。全体的には西パプアも今年は近年稀に見る見る異常気象で、普段は雨の少なくなる7月も雨が多く降り鳥たちの活動は期待したほどではありませんでしたが、西パプアのジャングルに生きる美しい鳥たちは健在で感動の出会いの毎日となりました。今回は大きく3つのエリアで観察を行いましたので、3記事に分けて紹介させていただきます。
まずは、パプアニューギニアとの国境近くに位置するジャヤプラ(Jayapura)周辺で観察した生き物たちです。
まずは初日、早朝空港に到着後バードウオッチングを行いながら宿泊場所へ向かいました。
シロガシラトビ(英名:Brahminy Kite、学名:Haliastur indus)です。魚やカエル、カニなどが好物で水辺の近くに生息します。

ハチクイ(英名:Rainbow Bee-eater、学名:Merops ornatus)は、オーストラリアを中心に分布しますが、ここニューギニアでも観察できます。道路沿いなどのひらけた場所で、飛びながら虫などの餌を捕食します。

ハシグロオナガバト(英名:Bar-tailed Cuckoo-Dove、学名:Macropygia nigrirostris)も同じ場所で観察できました。特徴的な黒い嘴と、長く縞模様のある尾が特徴です。

ブッポウソウ(英名:Oriental Dollarbird、学名:Eurystomus orientalis)。とても綺麗な鳥ですが、西パプアの低地ではよく観察でき、幹線道路沿いの電線などでも見かけました。

ヒジリショウビン(英名:Sacred Kingfisher、学名:Todiramphus sanctus)。「神聖な鳥」と先住民族が呼んでいたことからこの様な名前で呼ばれるそう。

カワリオオタカ(英名:Variable Goshawk、学名:Tachyspiza hiogaster)。幹線道路沿いの電線に停まっている姿を確認しました。後日、森で白い色合いの個体も観察できました。個体によって色が変わるためカワリと呼ばれるそうですが、緑の生い茂る熱帯のジャングルでこのような真っ白な個体がいることに驚かされます。本当に自然は不思議です。


スズメ(英名:Eurasian Tree Sparrow、学名:Passer montanus)。日本と同じ種類ですが、西パプアの市街地でも観察できました。

シマコキン(英名:Chestnut-breasted Munia、学名:Lonchura castaneothorax)。胸の栗色と、脇腹の縞模様の黒色斑が目立ちます。

Ground Mannikin は、和名は見つけられませんでしたが名前の通り地面で観察することのできたフィンチの仲間です。

キバネインコ(英名:Brown Lory、学名:Chalcopsitta duivenbodei)。夕方、雨上がりの空を大きな声を出しながら飛んで行きました。

ブッポウソウと、ナキカラスモドキ(英名:Singing Starling、学名:Aplonis cantoroides)。お腹が白いので若鳥です。大人になると全身真っ黒になります。

パプアハナドリ(英名:Red-capped Flowerpecker、学名:Dicaeum geelvinkianum)。雨の中ピントが甘いですが、藪の中をモゾモゾと動いています。

ムナフオウギビタキ(英名:Northern Fantail、学名:Rhipidura rufiventris)。雨上がり、羽を乾かすためか、電線で見かけました。

パプアヒクイドリ(英名:Northern Cassowary、学名:Casuarius unappendiculatus)。今回、宿泊した宿のオーナーさんが子供を森で拾ってきたそう。。。恐竜のような足で蹴りを入れられた際は、人間も骨折では済まないほどで、世界一危険な鳥とも呼ばれます。手作りのケージは西パプアの年中続く雨で腐りかけているので、いつか壊れて逃げ出した際は大惨事になりそうです。


ケージ周辺には、ミドリツヤトカゲ(英名:Emerald Tree Skink、学名:Lamprolepis smaragdina)も観察できました。

2日目は、早朝よりジュウニセンフウチョウ(英名:Twelve-wired Bird-of-paradise、学名:Seleucidis melanoleucus)のディスプレイ場に向かいました。ジュウニセンフウチョウは、周辺で一番高い木で、日当たり・見晴らしの良い場所で行われるため、人間からは撮影が大変ですが一番高い木から大きな声で鳴いて踊るのでその姿は圧巻です。写真では分かりづらいですが、名前の通り12本の線のような尾と口の中、胸の周りの蛍光グリーンも特徴的です。


また、同じ木にはシロカマハシフウチョウ(英名:Pale-billed Sicklebill、学名:Drepanornis bruijnii)もやってきました。初めにやってきた際は、ジュウニセンフウチョウのメスかと思いましたが、明らかに大きなクチバシでした。

また、コフウチョウ(英名:Lesser Bird-of-paradise、学名:Paradisaea minor)のメスもやってきました。初日から1箇所で3種類の極楽鳥が観察できるとは驚きです。

オトメズグロインコ(英名:Black-capped Lory、学名:Lorius lory)も同じ木にやってきました。ジュウニセンフウチョウと一瞬だけ小競り合いをし離れて行きました。

次に、ポイントを変え美しいキバシショウビン(英名:Yellow-billed Kingfisher、学名:Syma torotoro)

ラケットカワセミ(英名:Common Paradise Kingfisher、学名:Tanysiptera galatea)は繁殖が終わり、尻尾が短くなっていました。

また、野生のパプアヒクイドリは雨上がりの農園に現れました。野生の姿を目の前にするとその大きさと迫力には圧巻です。

カノコバト(英名:Spotted Dove、学名:Streptopelia chinensis)も観察しました。

3日目 この日は、早朝よりコフウチョウのレッキング場所に向かいました。


その後は、パプアヤイロチョウ(英名:Papuan Pitta、学名:Erythropitta macklotii)を粘って待ちますがなかなか現れてくれませんでした。
その後、パプアガマグチヨタカ(英名:Papuan Frogmouth、学名:Podargus papuensis)の親子3匹を観察し、再度パプアヤイロチョウへ。しかし、この日は大雨のため観察はできませんでした。


4日目は、早朝よりヒヨクドリ(英名:King Bird-of-paradise、学名:Cicinnurus regius)の観察へ。全長約28cmの小さな体ですが、その『King』の名に相応しい可愛らしさです。

パプア最小のインコ、アオボウシケラインコ(英名:Buff-faced Pygmy Parrot、学名:Micropsitta pusio)は、まるでキツツキのような動きをする非常に不思議なインコです。

雨が多く思ったように観察ができない日もありましたが、この環境だからこそ生息する美しい極楽鳥や独特な進化を遂げた生き物たちを観察することができ充実した滞在となりました。
次回は、マノクワリ(Manokuwari)そして、アルファック山(Alfak mountain)での観察レポートです!お楽しみに!