
今回は、世界で唯一、地面に穴を掘って生活するフクロウ——アナホリフクロウ(英名:Burrowing Owl、学名:Athene cunicularia)を探してきました。
アナホリフクロウはアメリカ大陸に広く分布しており、お昼の時間に活動する昼行性のフクロウです。その最大の特徴は、やはり地面に生活していること。自分で穴を掘ったり、他の動物が掘った巣穴を利用して暮らしています。
地面にいるため、木が生い茂る密林では見晴らしが悪く、天敵に気づきにくくなってしまいます。
そのため、彼らは視界の開けた草原、砂漠、河川敷などを好んで生活しています。

エクアドル郊外の遺跡公園で
今回観察したのは、友人に教えてもらったエクアドルの首都・キトから車で1時間ほどの場所にある、考古学的遺跡が保存された公園です。
ここには古代の人々が築いたピラミッド(見た目は小高い丘)が残されており、保護のため人の立ち入りが制限されています。
この静かな環境のおかげで、多くのアナホリフクロウたちが安心して暮らしているのです。

穴場スポットで見た、かわいい姿
公園に到着してすぐ、観光客が遺跡を見学する横を注意深く観察していると、周辺に計8羽ものアナホリフクロウがいるのを確認できました!
彼らは地面を走り回って生活しているため、一般的なフクロウに比べて足が非常に長く、昼行性らしい鮮やかな黄色い目がとても印象的でした。
さらに、ペアで活動している個体も多く、近くで見るそのしぐさは本当にキュートで、思わず顔がほころんでしまいます。

フクロウたちを支える生態系
また、この公園にはたくさんのアルパカが飼育されており、そのフンには虫がたくさん湧いています。
この虫たちが、アナホリフクロウたちにとっては絶好の餌となっているようです。自然が上手く循環している場所だと感じました。
訪れる人のほとんどは遺跡の見学が目的。大きなカメラを構えてフクロウを追っていたのは私だけでしたが、偶然見つけた最高の穴場スポットで、貴重な観察体験を楽しむことができました。

まとめ
アナホリフクロウが生活をするには、穴を掘るための土でできた地面が必須です。人間の生息地は、都市化の影響でコンクリートなどが敷き詰められることが多い影響でアナホリフクロウは年々数を減らしていると言われています。実際に、コンクリートのせいで絶滅してしまった地域もあるそう。この可愛らしいアナホリフクロウがいつまでも生活していける世の中が続いていくことを願います。