〜エクアドル・アマゾン熱帯雨林での出会い〜
今回は、エクアドルのアマゾン熱帯雨林で出会った、美しいヘビ・レインボーボア(英名:Rainbow Boa、学名:Epicrates cenchria)をご紹介します。

■ 体色の美しさと亜種ごとの違い
レインボーボアにはいくつかの亜種が存在し、成体になったときの体色や模様が亜種ごとに大きく異なることで知られています。
日本でよく見かける「コロンビアレインボーボア」は、成長に伴って体の模様が薄れ、全体的に茶色っぽくなるのが特徴です。
一方、今回エクアドルで観察した個体は、大人になっても鮮やかなオレンジ色の模様が残っており、個人的にとても好きなタイプ。太陽の光に当たったときの虹色の輝きは、みた人を虜にさせます。

■ 意外と身近な生息地
レインボーボアは、アマゾンの深いジャングルだけでなく、人家の近くにも姿を見せます。特に、道路で車に轢かれてしまった個体を見かけることもあり、人の生活圏と意外なほど近い場所で共存していることがわかります。
これは、レインボーボアが鶏など鳥の肉を好んで捕食することが関係しており、鶏を飼っている家の匂いにつられて、集落付近にやってくることがあるようです。
アマゾンでは今も多くの人が自給自足の暮らしをしており、鶏は大切な生活資源。そのため、レインボーボアはしばしば“害獣”とされ、見つけ次第駆除されることも少なくありません。この美しいヘビが人間の都合で命を落とすのは心苦しいことですが、現地の人たちの暮らしを考えると、単純に責めることもできません。

■ 生まれ方もユニークなボアの仲間たち
レインボーボアのもうひとつの特徴は、“卵ではなく、直接子どもを産む”という生態。
これはレインボーボアに限らず、ボアの仲間にはよく見られる特徴です。
アマゾンでは、昨日まで乾いていた地面が一晩の雨で湿地になってしまうことも珍しくありません。そんな環境下では、卵を地面に産むよりも、母親のお腹の中で孵化させたほうが安全。進化の過程で、このような出産スタイルを選んだのではないかと、現地の人とも話していました。
■ どうやって見つける? 探し方のポイント
意外にも、レインボーボアは昼間に活動していることが多いです。体の模様は、アマゾンに無数に落ちている枯葉と見事に溶け合い、うっかりすると見落としてしまうほど。
僕たちが見つけるのは、たいてい水場の近くや「クレイリック」と呼ばれる、動物たちが塩をなめに集まる場所。写真の個体は我々人間が近くを通ると、ひっそりと逃げ出すし、パリパリと落ち葉が砕ける音がして今回は見つけることができました。

■ まとめ:アマゾンで出会う、もう一つの宝石
レインボーボアは、アナコンダに次いで、僕がアマゾンで見た中で最も美しいと感じたヘビです。
その姿を一度でも目にすれば、誰もが心を奪われるはず。
ぜひ皆さんも、アマゾンの大地へ足を運び、この美しいヘビとの出会いを体験してみてください。
