エクアドルのアマゾン熱帯雨林には、カラフルで神秘的なヤドクガエルたちが生息しています。今回は、その中でも最も観察が容易な仲間 エクアドルヤドクガエル(英名:Ecuador poison frog、学名:Ameerega bilinguis)を実際に観察することができたので、その体験をシェアしたいと思います。

生息地と環境
エクアドルヤドクガエルは、エクアドルのナポ川流域を中心に、コロンビア南西部(プトゥマヨ県)やペルー北部にも分布しています。主に標高200~700mの森林に生息し、森林地帯や季節的に水没する森林の落ち葉の中で見つかることが多いです。
今回は、エクアドルの低地熱帯雨林を訪れ、森の中の小川沿いで観察を試みました。
観察のポイント
エクアドルヤドクガエルの観察は、条件さえ整えば難しくありませんが、その条件が整うまでに時間が必要な印象でした。
活動時間
このカエルは昼行性で、特に活動が活発になるのは雨上がりのわずか数時間ほどです。実際に観察できた日は、早朝から朝の9時ごろまで雨が降った後、森に向かいました。すると、それまで全く聞こえなかったエリアから、たくさんの鳴き声が響いていました。
発見のコツ
鳴き声が聞こえても、姿を見つけるのは簡単ではありません。声のする場所をじっと観察し、無数の蚊に耐えながら約15分ほど息を潜めていると、移動のためか突然葉っぱの中から姿を現した個体を撮影することができました。

名前の由来
有名な話ですが、「ヤドクガエル」の「ヤドク」は、原住民が狩りに使用する吹き矢にカエルの毒を塗ったことに由来します。
しかし、ヤドクガエルの毒はカエル自体が生成するものではなく、餌として食べた生物から体内に蓄積されたものです。そのため、食べるものによって毒の強さが変わり、実際に狩りに使う際に効かないこともあるそうです。実際には、ヤドクガエルの毒よりも成分の安定した植物や、「コンガ」と呼ばれるアリの毒がよく使われるそうです。
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まとめ
エクアドルヤドクガエルは、ジャングルの中にひっそりと暮らしながらも、その生態はとても興味深いものでした。生息数は少なくないものの、適切な条件が整わなければ、まったく姿を見られません。
皆さんもアマゾンを訪れる際は、闇雲に探しても絶対に見つかりません。タイミングを見極めながら探してみてください!