今回は、アマゾンで原住民に最も恐れられる生き物コンガ(Conga)のご紹介です。 コンガとは、サアシハリアリ(英名;Bullet ant、学名:Paraponera clavata)と言うアリの一種で世界最大のアリの仲間です。 刺された際の痛みが激しいことから、英語ではBullet antと呼ばれています。人家の近くの木の根元などにも巣を作るため、人との接触機会が多く、ジャガーやアナコンダなど一般的に想像される危険生物よりもよっぽど現地では恐れられる生き物です。

サアシハリアリとは?
サアシハリアリ、または「Bullet ant(弾丸アリ)」としても知られるこのアリは、世界最大のアリの一種であり、その強力な毒と激しい痛みで知られています。サアシハリアリの体長は、働きアリで18〜30mmほどで、赤黒い頑強な体を持っています。肉食性であり、ほかの小型の節足動物や甘露を食べることが多いです。
アマゾンのジャングルでは、このアリは木の根元に巣を作り、数百匹から千匹ほどのアリが群れをなして生活しています。原住民たちは、このアリを非常に恐れ、その痛みが一度刺されると何日間も続くほど強烈であるため、非常に恐れられています。
激しい痛み:Bullet Antの恐ろしさ
Bullet ant(弾丸アリ)という名前が示すように、このアリの刺す痛みは「弾丸で撃たれたような痛み」と表現されています。シュミット痛み指数によると、サアシハリアリの刺す痛みは、ハチやアリの中で最も強烈で、オオベッコウバチを超える「4+」とされています。
サアシハリアリの毒には、「ポネラトキシン」というペプチド性の神経毒が含まれており、この毒は電位依存性ナトリウムチャネルに作用して神経伝達を阻害します。刺されると、激しい痛みを伴い、刺された部位は腫れ、数日間のしびれや痛みが続くことがあります。この激痛が現地の人々を非常に恐れさせ、危険視する一因となっています。
現地での恐れと習慣
興味深いことに、サアシハリアリの痛みを乗り越えるために、アマゾンの原住民の一部には、成人の儀式として「サアシハリアリ試練」が行われることがあります。この儀式では、少年たちがサアシハリアリの巣から取り出したアリを手や腕に取りつけて、その痛みに耐えるというものです。痛みが過ぎ去った後、彼らは成人の証として認められますが、その痛みは非常に激しく、実際には何度もこの試練を受けることを避けたいと感じる人も多いのが現実です。
生態と巣
サアシハリアリは、主に木の根元に巣を作り、数百匹から千匹ほどのアリが共に生活します。アリたちは木の上に登り、小型の節足動物や甘露を食べ、地面に降りて活動することは少ないです。巣は主にアマゾンの広大な森林の中に点在しており、樹木や低木の下に巣を作りますが、特に板根や花外蜜腺がある木を好んで巣を作ることがわかっています。
吹き矢への応用?
一見恐ろしいサアシハリアリの毒ですが、実は現地ではその毒はヤドクガエルの仲間で有名な吹き矢にも使われていました。毒のメインは植物から搾取するのですが、サシハリアリの毒を追加することにより効果が早まるそうです。恐ろしいですね。
結論
アマゾンのジャングルで最も恐れられている生き物、サアシハリアリ(Bullet ant)は、その恐ろしい痛みと毒で原住民にも恐れられる存在です。痛みの激しさ、そしてその恐怖は、一般的な野生動物、例えばジャガーやアナコンダよりも遥かに大きな影響を与えることから、このアリが最も恐れられる存在として名を馳せています。中南米に出かけた際は、是非とも観察してみてください!