私が中学校の入学祝いでもらったお金で最初に買ったものは、ウーパールーパー(英名;Mexico salamander、学名;Ambystoma mexicanum)でした。それからというもの、この可愛らしくも呑気で愛されキャラの野生のウーパールーパーへの憧れを持ち続けてきました。

大人になり、やっとウーパールーパーを探しに行く機会を手に入れました。しかし、現地の方に確認したところ、野生のウーパールーパーは過去5年間で2匹しか見つかっておらず、さらにその見つかったエリアは繁殖個体を放流している場所だそうです。そのため、それらは野生個体ではない可能性が高いとのことでした。つまり、野生のウーパールーパーは既に絶滅してしまったのです。
しかし、同じAmbystoma属で、ウーパールーパーと同様に幼体の形のまま鰓呼吸をしながら繁殖できる種がいると教えていただき、今回はその種を探してきました。探してきた種類は、メキシコタイガーサンショウウオ(英名;Mexico tiger salamander、学名;Ambystoma velasci)です。

現地の方に案内いただき、以前観察したというエリアに向かうと、早速その姿を確認することができました。夜になると、水面近くでじっと待ち伏せをして、オタマジャクシなどの獲物を狙っているそうです。

メキシコタイガーサンショウウオの面白いところは、同じ種でありながら、幼体の形のまま性成熟するものと、上陸して肺呼吸に切り替わり性成熟するものがいる点です。

これは、この種の生息域に乾季があること、そして山間の盆地に位置するため、生息地の水場の水位が季節によって上下することが関係していると考えられます。実際、私が訪れた比較的乾燥した時期には、繁殖地の池の周りに乾燥した草が多く生えており、以前は水が浸かっていた痕跡が見られました。

必要に応じて上陸し、移動したり、泥の中で空気中から酸素を得ながら雨季を待つことができるのは、ウーパールーパーとの大きな違いです。ウーパールーパーが世界で一カ所にしか生息しておらず、水質汚染などの影響で移動の選択肢を持てずに絶滅した一方で、メキシコタイガーサンショウウオは今でもしっかりと生き延びているように感じました。
しかし、現地では野生のアホロートルの生息地で地元の方が普通に洗濯をしている光景も目にしました。このような衝撃的な現実を目の当たりにすると、この貴重な繁殖地が次世代にも守られていくことを強く祈るばかりです。



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