ベトナムハーピング
現地の友人に案内していただき、オオアオムチヘビ(英名:Oriental Vine Snake、学名:Ahaetulla prasina)の珍しいモルフが見られる場所へと行ってきました。
オオアオムチヘビは、ムチヘビの最大種で、東南アジアに広く分布しています。主にヤモリやトカゲといった爬虫類を捕食しますが、鳥やカエルといった両生類も食べることもあります。完全な樹上性で、木の上で生活しているため、見つけるのは至難の業。日本でのハーピングでは足元に注意しますが、ここではひたすら上を見続けるハーピングとなりました。
今回の目的は、非常に珍しい黄色のオオアオムチヘビ、そしてリューシスティックのような白い個体の2種を撮影することでした。ベトナムは雨季真っ只中で、バイクで移動しながらのハーピングは決して簡単ではありませんでしたが、運良く目的の2種(本当は同じ種)を見つけることができ、非常に充実した夜となりました。
黄色のオオアオムチヘビ
まずは黄色のモルフ。見つけた個体は地面から3メートルほどの高さにいました。黄色いため、雨の中でも非常に目立ちます。このような色合いを持つ理由は不明ですが、通常の緑色の個体から青色の色素が抜けると黄色になります。興味深いことに、この地域では緑色の個体を一切見かけず、黄色と白色の個体のみが観察されました。青色の色素を持つ個体が極端に少ない、もしくは存在しない可能性もあるのではないかと考えさせられました。
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白いリューシスティックのようなモルフ
続いて、白い個体です。純白の体に黒い模様がとても美しく、緑豊かな木々の中では非常に目立ちます。なぜこのような目立つ色合いで生き残っているのか、不思議で仕方ありません。この色の個体は木の上にいても非常に目立ちますので、正直いてくれさえすれば見逃すことはないように思います。しかし、なぜこのような色合いで生き残っているのか謎が深まるばかりでした。
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オオアオムチヘビの特徴と生態
オオアオムチヘビは、細長い体と尖った三角形の頭を持ち、「つる(蔓)」や「つた(蔦)」に似た姿から、英語では「Vine Snake(バインスネーク)」と呼ばれています。また、珍しい特徴として、目が前方を向き、瞳孔が横長になっています。これにより、目の前を両目でみることができるようになっており、獲物との距離感を掴みやすくなっていると言われています。大好物のトカゲなどは擬態が上手ですからね。
彼らの体色は、基本的には鮮やかな緑色ですが、今回のように黄色や白色といった珍しい個体も存在します。また、幼体は褐色をしており、成長するにつれて色が変わることもあります。実際、今回は幼体と思われる黄色と白の中間色の個体も観察しましたが、成長段階で色が変化する可能性があるのかもしれません。
最後に
オオアオムチヘビは後牙類で、軽い毒を持っています。人にとって致命的なものではありませんが、噛まれると毒が入る可能性があります。ヘビへの不要な恐怖心などを煽ってしまわないように、ハンドリングは十分注意して行いましょう。
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