爬虫類・両生類の性質
多くの場合、爬虫類・両生類を見つけるには、たとえ詳しい知識がなくとも出会うことは可能です。暖かい時期に、近くの田んぼや小川などの水辺訪れれば、カエル、カメ、運が良ければヘビなどを簡単に見つけることができるかと思います。これこそがハーピングの始まりと言えるでしょう。しかし、異なる生息地でさまざまな種類の爬虫類・両生類を見つけるには、爬虫類・両生類がどのように機能し、彼らの活動と行動にどのように影響するかを理解する必要があります。人間は彼らの活動と行動の意義を理解し、一連の生活様式を熟知することで、爬虫類・両生類活動モデルを構築してきました。このモデル内のすべての要素は毎日の行動に関連しており、互いに依存しています。野外ではこのモデルを理解した上でハーピングに出かけることにより、爬虫類・両生類を探す場所とタイミングについて多くの予想を立てることができるようになるため、実際に野外で出会える確率が高くなります。
そこで、これから各トピックに分けて様々な側面から爬虫類・両生類の動きを理解し、よりハーピングで沢山の生き物たちに出会えるためのコツを探っていくことにしていきます。
体温調節
哺乳動物などの他の動物と同様に、両生類と爬虫類は基本的な機能を果たすためには種類によって決まった体温が必要です。これには身体の動き、消化、および繁殖行動などが行われます。しかし、哺乳動物などの恒温動物と異なり、彼らはこれらの機能を果たすためにの体温を自身で生成することができず、外部の熱源に頼る必要があります。この外部の熱源に頼ることを、爬虫類は一般的に「外温動物(ectotherms)」と呼ばれています。
他にも「poikilotherm(変温動物)」という用語も使用されており、これは内部体温が変動する生物を指します。爬虫類・両生類は、体温を上げて生物機能を維持するために太陽の熱を利用しています。日光浴をするなどの直接的または、太陽によって温められた石の上で熱を吸収するなどの間接的な方法で行われます。昼夜や季節を通じて、彼らは決められた体温を維持するために頻繁に移動し、寒すぎるか、または暑すぎる温度を避けます。この体温を維持または変更するための移動が体温調節と呼ばれ、気温や季節の変動が広範にある場合、これが爬虫類・両生類の行動の主な要因となります。
種類によっても様々ですが、大きく両生類と爬虫類は体温調節に対して異なる方法を取り、効果的に機能するためのそれぞれ異なる適正温度を持っています。多くの両生類にとって、体温調節はより間接的な方法で行われることが多く、体の内部温度は周囲温度、つまり空気、地面、または水などと深く関わっています。両生類は、薄い皮膚のおかげで湿度に依存した生活様式を持っているため、体温を上げるための日光浴は多くの両生類にとっては急激に失われる水分量が多すぎるため危険行為になってしまいます。一部のカエルやサンショウウオなどは時折直射日光をすることが知られている種もいますが、ほとんどの場合、水がなければすぐに乾燥し死んでしまいます。
一方で、硬い鱗のある爬虫類は脱水のリスクが少ないため、直射日光と高い温度を利用でき、体温調節は頻繁に行われます。寒い夜明けには、爬虫類は早朝の太陽で体温を比較的早く上げることができ、両生類のように空気や地面が温まるのを待つ必要はありません。
砂漠気候では、昼間に太陽の下ですべてのものが熱を持ちます。日没後、地面や石などはこの熱を放射し続け、周囲の空気が冷えた後も長時間にわたり発熱を続けます。夜行性のトカゲは岩から熱を吸収します。ヘビは、コンクリートや岩などから発するこの放射熱を利用して、太陽の温度を夕暮れ後も吸収することがでるそうです。
冬の訪れなどにより、昼間の気温が低下すると、両生類と爬虫類の内部温度も低下し、彼らの活動は著しく低下します。逆に、真夏などの爬虫類・両生類が機能するのに高すぎる気温の場合も活動は低下します。
冬眠と夏眠
爬虫類・両生類が生活するには低すぎる気温になると、その外温動物的な性質が冬眠を誘発します。冬眠とは日本語では一つしかありませんが英語では2つあり、「Hibernation」と「Blumation」の2つがあります。前者の「Hibernation」はクマなどの恒温動物の冬眠に使われる言葉で、冬の間は眠りにつき基本的には起きることもなく春まで数ヶ月間巣穴で過ごすことが多いです。一方、後者の「Blumation」は爬虫類や両生類などの変温動物に使われる言葉です。大きな違いは、冬の過ごし方で冬眠中に気温の高い日や活動に適した日があると目を覚まし巣穴から出てくることも珍しくありません。冬眠はずっと寝たまま過ごすイメージがありますが巣穴では時折動き回り、水を飲むなど哺乳類との冬眠とは全く違うものです。
温暖な気候の冬季では、爬虫類・両生類にとって数か月にわたる冬眠の期間がありますが、さらに南では、天候によっては活動と冬眠を繰り返しながら生活している種類もいます。冬眠中の爬虫類・両生類は、暖かい春の訪れを待ちながらエネルギーの使用を最低限に抑えているのです。
秋が訪れると、気温が下がるにつれて、爬虫類・両生類は冬を過ごす場所を探しはじめます。地上に住む爬虫類・両生類は、地面が凍らず、気温の安定した穴なども場所を見つける必要があります。水生の爬虫類・両生類は、凍りつかない深い池や湖、その他の水域を探します。多くの種は小さな体で冬季の巣穴への往復に数キロメートル以上移動する必要があり、これが秋の渡りや春の出現率をあげるきっかけの一つです。
気温が爬虫類・両生類が機能するには高すぎるか、乾燥しすぎると、彼らは夏眠状態に入ります。彼らは冬と同様に夏眠する場所を地下、岩や丸太の下、または水中で探します。夏眠の代わりに、マムシなどの一部の爬虫類・両生類は夜行性になることで暑さを逃れるものもいます。他にも水場に移動することもあり、渓流に住むサンショウウオなどは、夏の暑い日には渓流や泉の端から水中に移動します。ハーピングの際は、彼らの気持ちになり、夜に出かけてみたり、または炎天下の暑い夏の日には涼しい、陰のある川に向かうことで遭遇率上げることができます、
冬眠と夏眠は爬虫類・両生類にとってリスクの伴う活動です。冬眠に適切な場所を選べなかったり、または早すぎるか遅すぎる時期に出現したりしてしまうと、寒さ、窒息、熱、または乾燥によって死亡する可能性があります。幼体は特にリスクがあり、1年目の冬や夏を超えることが彼らの生涯を通して一番の試練であるとも言われます。このリスクを回避するために、一部の爬虫類・両生類は毎年および何世代にもわたって同じ巣穴を使用することが分かっています。
コメント
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