自然界で観察・ハーピングを楽しむためには、生き物の特徴を見極める力が大切です。今回のテーマは、ヘビとトカゲの違い。ぱっと見では、手足の有無で判断できることが多いですが、それだけではない多様な特徴があります。本記事では、ヘビとトカゲを見分けるポイントを順に解説します。

ヘビには手足がない
最も分かりやすい違いは、ヘビには手足がないことです。一方、トカゲは基本的に手足がありますが、例外も存在します。たとえば、アシナシトカゲやスネークスキンクの仲間は、進化の過程で手足が極端に短くなったり、完全に失われたりしています。これらの種は、落ち葉の中や草原で効率よく移動できるよう適応しています。つまり、手足の有無だけでは判断ができない場合もあるのです。そこで、ヘビとトカゲを見分けるには、下記の別の指標も必要になってきます。

ヘビには目蓋が無い
トカゲには目蓋があり、目を閉じることができます。睡眠時などに目を閉じる姿が観察できるのが特徴です。一方で、ヘビには目蓋がなく、目は透明な鱗に覆われています。そのため、ヘビは目を閉じることができません。脱皮した後の抜け殻を見れば、この違いはさらに顕著です。ヘビの抜け殻には目の部分がしっかりと残っていますが、トカゲは目蓋があるため、目の抜け殻がありません。
例外として、ヤモリ(トカゲの一種)は夜行性のため目蓋を持たず、代わりに目を舐めて掃除する習性があります。



背中とお腹の鱗の大きさが違う
トカゲの仲間は、背中側の鱗とお腹側の鱗を比べると同じような形をしていて、大きさはほぼ同じかお腹の方が小さくなっていることが多いです。対してヘビの仲間は、お腹側の鱗は、背中側の鱗に比べて非常に大きく横に長い鱗が一列に続いています。これを蛇腹と言い、文字通りヘビのお腹の模様です。
トカゲの背中側とお腹側の鱗はほぼ同じ大きさですが、ヘビでは明らかな違いがあります。ヘビのお腹側の鱗(蛇腹)は非常に大きく、横に長い形をしており、一列に並んでいます。この特徴は地面を滑るように移動するのに適応しています。これを蛇腹と言い、文字通りヘビのお腹の模様です。


ヘビは舌が二股になっている
トカゲは食性によって様々な形をした舌を持ちます。味のよくわかる人間のような短く幅広い舌を持つ雑食性のツナギトゲオイグアナ。遠くの昆虫も捕まえることのできるカメレオンの仲間ように長い舌。天敵に毒があると見せかけるために真っ青な舌を持つアオジタトカゲの仲間など様々です。しかし、ヘビはネズミ、カエル、他のヘビ、卵など何を食べるヘビも全て細長く二股に分かれた舌を持っています。
例外:オオトカゲの仲間(ヘビと共通の祖先を持つため形の似た舌をしています)
ヘビの舌は全ての種で二股に分かれており、空気中の化学物質を感知するために使われます。一方、トカゲの舌はその種の食性に応じて多様です。例えば:
- ツナギトゲオイグアナ: 短く幅広い舌を持ち、雑食性。
- カメレオンの仲間: 昆虫を捕獲するための長い舌。
- アオジタトカゲの仲間: 真っ青な舌で威嚇行動を行う。
例外)オオトカゲの仲間は共通の祖先を持つため、ヘビと似た二股の舌を持ちます。



トカゲには外耳がある
トカゲには外耳があり、耳の穴が確認できます。一方、ヘビには外耳がなく、振動を骨で感知する仕組みを持っています。ただし、スネークスキンクの仲間は、地中生活に適応するため外耳が皮膚で覆われているなどの例外もあります。


トカゲは尻尾をを切ることができる
トカゲの多くは、危険を察知すると自切(尻尾を切り離す行動)を行います。この機能は捕食者の注意をそらすための進化的適応です。一方、ヘビは普通尻尾を切ることはありません。


以上を全て確認いただくと、ヘビかトカゲかはほぼ区別できると思います。では、逆になぜこんなにも難しいのか似ているところも見てみましょう。
ヘビとトカゲが似ている点
違いを理解したところで、次は似ている点についても触れておきます。
- 鱗に覆われた体: 両者とも爬虫類で、体が鱗で覆われています。
- 細長い形状: 細長い体型は両者に共通する特徴です。
- 卵生の種が多い: 基本的に卵を産んで繁殖します。
- 心臓の構造: 心房が2つ、心室が1つという独特な心臓構造を持っています。
- どちらも愛らしい: 最も重要な共通点はその可愛らしさです!
まとめ
以上、トカゲとヘビの違い(+似ているところ)でした!ヘビとトカゲの違いを手足以外でも理解することは、ハーピングをさらに楽しく、かつ興味深いものにしてくれます。手足の有無や目の蓋の有無などの基本的な特徴だけでなく、鱗の大きさや舌の形状、外耳の有無など、さまざまな観点からヘビとトカゲを見分けることができます。ただし、難しいところですが、例外もあることを忘れずに。。。。自然界にはそれぞれの特徴を持つ個体が存在し、その多様性が面白さを増幅させます。観察の際には、これらの特徴を頼りにしてみてください。自然界の美しさと多様性を堪能しながら、ヘビとトカゲの違いをより深く理解しましょう。
他にも、ヘビは全て肉食性でトカゲにはベジタリアンがいるなどたくさん違いがありますが、自然界でヘビ、トカゲに出会った際には上記の点を観察してみると、その種の特徴に気づきハーピングがさらに楽しくなります。
今日もスネークフックを持って、ハーピングに出かけましょう!