ベトナムコケガエル(英名:Vietnamese mossy frog、学名:Rhacophorus corticale)は、ベトナムの固有種で中でも石灰質の広がる渓流にのみ生息しています。
今回は、実際に自然界に探しに行った際に観察したことをまとめてみたいと思います。
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ベトナムコケガエルとは?
ベトナムコケガエル(Theloderma corticale)は、ベトナム北部に生息する両生類で、一部は中国やラオスにも分布している可能性があります。アオガエル科に属し、体長は約6~8cmほど。この種は、英語で「Mossy Frog(モッシーフロッグ)」とも呼ばれており、その名前の通り、コケや地衣類に擬態することで有名です。
コケガエル属には26種が知られていますが、その中でもベトナムコケガエルは、私にとって特にお気に入りの種です。そのゴツゴツとした皮膚が特徴的で、まるで苔のように見えるため、野外での観察は非常に困難です。しかし、こうした見つけづらいところが、擬態好きのハーパーにはたまらないポイントです!
ベトナムコケガエルの生息地
野生では、ベトナムコケガエルは夜行性で、主に標高800メートル以上の湿った森林に生息しています。基本的には樹上性ですが、長時間水中で活動することもあるそうです。昼間は、渓流近くの樹洞や洞窟、岩の隙間に隠れて過ごし、夜になると現れ、ガやバッタなどの昆虫を捕食します。危険を感じると、体を丸めて死んだふりをすることも知られています。
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ベトナムコケガエルを探す
今回のハーピングでは、ベトナム北部に位置するフォンニャケバン国立公園で、現地の友人と共にベトナムコケガエルを探しました。ベトナムの国立公園の多くは隣国との国境に接しているため、夜の国立公園に入るには特別な許可証が必要です。もし、ベトナムでハーピングを計画される場合は、事前に許可証を取得してください。
雨季という、比較的観察しやすい時期に訪れたため、渓流を進む道は想像以上に険しく、長靴も役に立たないほどでした。しかし、ベトナムコケガエルに出会うため雨の中の渓流をひたすらに歩きました。
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本当にいました。野生のコケガエル
深夜1時ごろ、長い道のりを経て、ついに最初のベトナムコケガエルを発見しました。渓流の真ん中にある岩の上にじっとしている姿を見つけた瞬間、全ての苦労が報われます。逃げないようにそーっと動きながら撮影。見れば見るほどコケに見えてくるそんな不思議でたまらないカエルさんでした。
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まとめ
ベトナムコケガエルを野生で観察するのは簡単ではありません。許可の取得から渓流を歩く道のりの険しさなどを乗り越えてもなお、出会える保証はありません。しかし、そんな出会いだからこそ行った甲斐があるのではないかと思います。コケガエルファンの皆さん、ぜひ一度野生の姿を観察しに行ってみてください!
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